「俺ってまだまだだなぁ・・・」と反省させられた還暦最初の春


繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々(じじこくこく)リポート
vol.102「還暦を迎えて最初の春。自分の未熟さを反省させられ、頭を切り替えた」より
皆さんこんにちは! 佐藤勝人です。さぁ、4月だね! 新年度の始まりだね! 新卒でとった子が今月から入ってきて、動きも何もまだぎこちないけど見ているだけで思わず顔がゆるむ、期待が膨らむ、っていう社長さんは多いだろうと思うけど、私から言えることがあるとしたら、「過度な期待はしないほうがいいですよ」ということだ。水を差すようで悪いけど、それが現実だ。
支援先の社員さんがメキメキ成長
うちもMQ戦略ゲームを導入
なぜこんなことを言うかというと、人は自分が考えたいようにしか考えないし、物事を受け取らないし、長く在職して関係が近くなればなるほど、お互いが「自分のことをわかってほしい」と思うようになるからだ。心理的距離が近づけば近づくほど、自分は相手のことをわかろうとしないで、相手に自分のことをわかってもらおうと思い始める。私だって、1on1ミーティングを始めるまでは、「部下は何がわかっていないか」もわかっていない状態だったからね。
私のFacebookをフォローしてくれている人は知っているだろうけど、数年前から、私はMQ戦略ゲームを始めた。1976年に西順一郎氏がソニーCDIで開発した、事業戦略や運営や会計などの企業経営が体験できるマネジメントゲームだ。ソニーの社員は必須でそれをやっていて、1980年代にはソフトバンク草創期に孫正義さんが「これはすごい!」と大絶賛し社内研修に導入。それもあって、日本中の中小企業経営者の間で有名になった。
私自身は、それまでにも何度か耳には入っていたと思うけど、ちゃんと意識したのは2018年だ。支援先の会社さんがMQ戦略ゲーム研修を導入してメキメキ成長する姿を目の当たりにして、私もコロナ禍の2021年11月にデビューさせてもらった。まずは私が自分で「経営者ならば100期やれ、経営したければ先ずは100期やれ」という孫正義さんの金言を実行することにした。達成まで1年かかったかなぁ。
社内への浸透には時間がかかったけど、「石の上にも3年」だ。辛抱強く続けるうちに、「自分もやってみたい」と言ってくれる社員がポツポツ現れて、現時点で私を含めて5名が100期を達成している。他にも、まだ100期までは行かないが、MQ戦略ゲームに取り組んで学んでくれる社員が十数名と徐々に増えてきた。
わかろうとする努力を省いていた私
そんな私を戒めた息子
そのおかげで、一緒に事業を成長させていくうえで最低限必要な要素を共有することができた。その要素とはズバリ、「共通言語、共通理解、共通認識」だ。MQ戦略ゲームを取り入れる前は、今のビジネスをここまで持って行くぞ、こういう形にするぞ、というイメージは共有できているようだが、個々の理解と認識がまったく違う状態だった。
普通の人は誰だって、自分の好きなこと得意なことしかやらないし、自分がやりたいようにしかやらない。だから、私が「こうするぞ、こっちに持って行くからな。頼むぞ」といくら方向性を示しても、本人は確かにそっちに向け進んでいるつもりで実はまったく明後日の方向に向かっていた、ということがあり得る。
「こっちだぞ、ここだぞ」という基準を相手にも理解できる共通言語によって示さなければ、いくら相手が「了解です」とか「わかりました」と自信満々に答えても、当てにならないということだ。
そして問題は、本来であれば上の者が「彼はこういう考え方だから正しく伝わるようにこう説明しよう」というふうに彼らのことを慮ってイメージを説明しなきゃいけないんだけど、長い間、同じ環境で同じ時間を過ごしてきたわけだからついつい、上の人間は「こっちだぞ、わかるよな。ヨシ」という感じで、相手をわかろうとする努力を省いてしまうんだよね。
私自身も、息子に指摘されてそのことに気付くまでは、身内には努力を省く習慣が身に付いてしまっていた。息子から「コンサルタントの仕事では支援先のお客さんに対してちゃんとやっているんだから、できているんだから、身内に対しても同じようにすればいいんだよ」と諭されて初めて、「そうか、そうしよう」と頭を切り替えることができた。
イライラ来ない人はなぜ来ない?
理由を聞いて「俺はまだまだだ・・・」と反省した
そうやって頭を切り替えたら、「なんでこうなってるんだよ! 向かう先はここだぞって言ったじゃないか!」とイライラすることがなくなった。むしろ、「この人の何をどうわかってあげたらゴールに向かってもらえるのか」という感じで、ゲームを攻略するときのようなおもしろさを感じるようになった。
要するに、こっちが切り替えればいいだけだったんだよね。同族企業でありがちな先代との衝突とか身内間の意見の食い違いとかも、両方が「わかってくれ」というスタンスだからぶつかるわけで、相手が「わかってくれ」と言っている――心の中でだけどね(笑)――のだから、相手をわかろうとすればいいんだよ。めちゃめちゃシンプルな話じゃないか。
この切り替えに私を導いてくれた人が息子の他にもう一人いた。去年春からうちで働いてくれている東大ラグビー部出身くんだ。
彼は優秀で――だからこそだろうと思うけど――、初めてMQ戦略ゲームをやってもらったときも、わからないことは素直に「ここがわからないです」と聞いてきた。「いいや。わかんないから適当にやり過ごそう」という態度の人が大半の中で、自分がわかっていない点は素直に聞き、理解することでクリアしていた。
他の社員を率いる際もそれは同じだ。傍から私が見ていると、彼はゴールが見えているのに他の社員は見えていないのがわかるから、さぞイライラ来ているだろうと思って先日聞いてみたら、「イライラ? 来ませんよ」という答えだった。彼いわく、相手がどこでわからなくなっているかがわかるから、「寄り添って分解してあげればいいだけなので」ということだった。
うちに来てまだ1年で、相手と近い関係じゃないからそうできる面も多少はあると思う。けど、それだけじゃない。もっと単純に、「わからないことが見つかったらわかろうとする」という習慣が当たり前になっているんじゃないかな。
言葉にして書けばこれだけだけど、それはやっぱり、スゴイことであってね。私自身も今後、会社を成長させていくためには、見習わなきゃいけないと思う。
息子からは「できるんだから、やりなよ」と諭され、去年入った社員からは「どこがわからないかをわかってあげればいいだけですよ」と諭され・・・。
「俺ってまだまだだなぁ・・・」と反省させられた還暦最初の春。今年度は気持ちを切り替えて社員と向き合います。
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